月々2万円から始められる、1日1時間のスキマ時間で月商100万円超。こう説明されている仕事を前にしたとき、あなたは何を確かめるべきでしょうか。私が見るのは、語られている困難の大きさと、実際に引き受けることになる負荷の大きさの間にある空白です。この記事で扱う株式会社DREAM PONYのドリームポニーシステム(DPS)の評判を見ると、その空白が具体的な形で現れています。出品の効率化と受注数の増加は確認されています。同時に、受注の半分以上がキャンセルになったという報告と、Amazonアカウントが2回停止されたという報告も確認されています。システムが生み出す受注の量と、その受注を維持できない構造の重さ。この両方を見た上で、引き受けられるかどうかを判断する材料を、この記事では提示します。
ドリームポニーシステムの公式説明、月々2万円と月商100万円の間
説明会で示される数字と条件
フランチャイズの窓口の掲載ページには、DPSの募集条件が次のように記載されています。初期費用は通常120万円だが、分割キャンペーン中で月々約2万円からの開業が可能。ただし条件ありと記載されており、実際には別途頭金が必要になります。最低自己資金は30万円以上。契約期間は1年間で、売上連動ロイヤリティが発生しますが、率も上限額も公開されていません。
作業時間は1日1時間からのスキマ時間、経験や知識は一切不要、パソコンさえあれば誰でも簡単にスタートできる。この説明で提示されている困難の大きさは、1日1時間という時間と、月々2万円という金額です。同じページには「未経験で月商100万円超えも」という成果が示されています。神奈川県の30代男性が2024年開業で年間所得額360万円という開業例も掲載されています。
フランチャイズ比較ネットの掲載ページでは、パート勤務や看護師の方が本業と両立しながら月商100万円を達成するなど、数多くの成功事例が生まれているとの記述があります。ただし、想定収益も他店実績も「プランにより異なるため、詳しくは説明会でご確認ください」となっており、具体的な数字は説明会でしか示されません。ロイヤリティの率も非公開です。説明会に参加しなければ、この仕事を引き受けたときに毎月どれだけの固定費が発生するのかを計算できない構造になっています。
ミギウデシステムからDPSへ、50万円が120万円になった経緯
フランチャイズの窓口の同じ掲載枠は、2024年8月時点では「ミギウデシステム、通常50万円の初期費用」と表示されていました。現在は同じURLで「Dream Pony System、通常120万円の初期費用」を表示しています。フランチャイズ比較ネットのURLは「migiudesystem_fc」のまま、ページ内容はDream Pony Systemになっています。2026年7月の公式プレスリリースの自社ブランド一覧にミギウデシステムの名前はなく、DPSが記載されています。ミギウデシステムからDPSへの改称または統合と考えられますが、公式に説明はありません。
改称に伴い、初期費用の表記が50万円から120万円に変わっています。同じ掲載枠で、同じ説明の仕事が、2.4倍の価格になりました。この値上げの理由も公式に説明されていません。同社の他のフランチャイズブランドも、BuyLink、BUYUP、BRAND物販PLUSと短期間で複数回名称を変更しています。ミギウデシステムからDPSへの変更も、この流れの中にあります。名称が変わることで、変更前の評判が検索されにくくなります。私はこの経緯を、評判をリセットしたい意図が透けて見える動きとして読みます。
実際に運用した人の報告、受注は取れるがキャンセルが止まらない
現役利用者の証言、受注の半分以上がキャンセルになる理由
副業被害報告サイトfukugyo.blogのミギウデシステムの記事には、現在進行形で運用している利用者からのコメントがあります。2026年7月13日に投稿された「まああね」氏のコメントです。このコメントは、肯定部分と否定部分の両方を含んでいます。
『毎週、勉強会が開かれており、サポートはしてくれています。また、ミギウデシステムツールを使用すると効率的に商品出品が出来て1ヶ月も続ければ、さばき切れないほどの受注を得る事ができました』。ここまでは、システムの出品効率とサポートの存在、受注数の増加を認める内容です。しかし、この後に続く部分が重要です。『しかし、無在庫物販は受注後に商品を準備するため、商品発送までに時間が掛かりすぎ受注の半分以上がキャンセルとなり、顧客とのトラブルが絶えませんでした。結論としては、受注がたくさん取れてもトラブルだらけで疲弊する、最悪、アカウント凍結になります』。
受注は取れます。システムを使えば1ヶ月でさばき切れないほどの受注を得ることができます。しかし、受注の半分以上がキャンセルになります。この構造の重さを、あなたは引き受けられるでしょうか。Amazonの出荷前キャンセル率の目標値は2.5%未満です。受注の半分以上がキャンセルになる状態は、この基準を大きく超えています。この基準を超えた状態が続くと、Amazonからアカウント停止の措置を受けます。
このコメントを投稿した人は、『Amazonでの物販テクニックは教えてくれるので、そのノウハウを学びながら別途、キチンとした商品卸売り業者との連携を進める。無在庫物販から健全な在庫物販へ切り替えていっています』と書いています。システムと無在庫方式では回らないと判断し、自力で別の仕入れルートを確保し、在庫を持つ方式に切り替えています。この人が引き受けた負荷は、DPSの説明で提示されていた「1日1時間」の何倍の時間だったのでしょうか。
2026年8月の被害報告、Amazonアカウントが2回停止されるまで
同じfukugyo.blogの2026年8月の記事には、商材名の記載はありませんが、同社のAmazon無在庫フランチャイズに関する被害報告があります。同社のAmazon無在庫FCはDPSのみであり、この報告はDPSの構造に関する材料と考えられます。報告者は2026年5月にフランチャイズの窓口経由で加盟し、加盟金160万円を支払っています。この160万円という金額は、フランチャイズ紹介サイトの120万円とも、ミギウデシステム時代の50万円とも異なります。プランや時期による差の可能性があります。
報告された経緯は次の通りです。2026年6月、制限対象外商品の販売を理由に本人名義のAmazonアカウントが停止されました。運営側からは「おすすめ出品商品URL」の案内があったが、報告者は一例と受け止めていました。アカウント停止後、初めて「そのURL以外からの出品は不可」というルールを知らされたと報告しています。同社に復旧を相談したところ「復旧は困難」と回答され、家族名義での新アカウント作成を促されました。
2026年7月、妻名義で新アカウントを作成し出品を再開しました。2026年8月、1つ目のアカウントとの関連性を理由に妻名義のアカウントも停止されました。Amazonは正当な事業上の理由なく複数アカウントを運用することを禁止しており、関連性が認められたアカウントは連鎖的に停止されます。報告者が辿った道は、Amazonの規約と噛み合わない構造の中で、アカウントを失い、家族名義で再開し、再び失うというものでした。
報告者は、高額商品の購入者から「転売が疑われる」として返品申請を受けたことも記載しています。同社に相談したが「Amazonに電話して解決方法を聞くしかない」と回答されたとのことです。トラブル発生時にサポートが機能しなかったという報告です。報告者は、アカウント停止リスク等の事前説明が一切なかったこと、規約違反となる「直送」をマニュアルで案内していたことを指摘しています。
Amazonの規約とDPSの無在庫方式、説明されていなかった違反リスク
ドロップシッピングポリシーと直送の問題
Amazonのドロップシッピングポリシーには、次の記述があります。「第三者が出品者に代わって購入者へ直接出荷することは、出品者が記録上の出品者であることが購入者に明確でない限り認められない」。仕入れ先から購入者に直接出荷する無在庫転売は、このポリシーに抵触します。DPSの公式説明は「売れてから仕入れる無在庫型モデル」です。この無在庫型モデルが、Amazonのポリシーとどう整合するのかは、公式資料に説明がありません。
2026年8月の被害報告には、『ドロップシッピングは出品者が記録上の出品者であることが購入者に明確でない限り認められない』というAmazonの規定を確認した結果、同社がマニュアルやZoom会で指導していた「直送」の手法自体がAmazonの規約違反であったと判明したとの記述があります。報告者が気づいたのは、アカウントが2回停止された後でした。
私が見るのは、システムの出品効率が高いほど、規約違反の出品が大量に積み上がるという構造です。受注が取れます。しかし、その受注を規約に沿って処理する手段が用意されていない場合、受注の量が多いほど、アカウント停止のリスクも高まります。
出荷前キャンセル率2.5%未満という基準
Amazonのアカウントヘルス基準では、出荷前キャンセル率2.5%未満、注文不良率1%未満、出荷遅延率4%未満が目標値として設定されています。この基準を超えるとアカウント停止のリスクが発生します。先に引用した現役利用者の「受注の半分以上がキャンセル」という証言は、出荷前キャンセル率2.5%未満という基準と大きく乖離しています。
無在庫方式では、受注後に商品を仕入れます。仕入れ先の在庫状況によっては、商品を確保できません。発送までに時間がかかります。購入者が待てずにキャンセルします。この流れが「受注の半分以上がキャンセル」という結果につながります。キャンセル率が基準を超えた状態が続けば、Amazonはアカウントを停止します。
公式の説明では、1日1時間のスキマ時間で運用できるとされています。しかし、受注の半分以上をキャンセルせずに処理するためには、在庫確認、仕入れ先との調整、発送手配、購入者への連絡を、1日1時間で完結させる必要があります。この負荷を引き受けられるかどうか。そして、引き受けたとしても、無在庫方式の構造上、キャンセル率を基準以下に抑えられるかどうか。この2つを確かめてください。
加盟前に説明されていたこと、されていなかったこと
設定に3ヶ月かかった報告と「80代でも簡単」の説明
fukugyo.blogのミギウデシステムの記事には、2026年8月30日に投稿された「さや」氏のコメントがあります。この人は2026年5月に契約しています。ミギウデシステムからDPSへの改称時期を考えると、この時点の商材名はDPSの可能性が高いのですが、投稿者は「ミキウデツール」と記載しています。
『パソコンが得意でなく、Amazon開設、ミキウデツールインストール、その他設定で3ヶ月かかっています。サポート通りに設定していますが、仕様変更があったとかでその通りできません。質問したら「確認されていますか?デイスコードをもらっているはずです!」と冷たい対応』。設定に3ヶ月かかっています。説明会では「80代の方でも簡単に設定し、利益を出している」と聞いたが、そういうわけには行かないと思います、と書かれています。
説明会で提示された困難の大きさと、実際に引き受けることになった負荷の大きさの間に、空白があります。この空白に、3ヶ月という時間が入っています。この3ヶ月の間、加盟金の分割払いは発生し続けます。売上はまだ立っていません。この期間を支えるのは、別の収入か、貯蓄です。この土台がない状態で3ヶ月の設定期間に入った場合、途中で止まるのは意志の問題ではなく資金の問題になります。
同じコメントには「やめたいのですが、違約金がかかるとか」との記述もあります。契約書に違約金の条項があることを示唆しています。設定が完了する前に、やめたくてもやめられない状態になっています。
ロイヤリティ非公開、想定収益は説明会でのみ開示
フランチャイズ比較ネットの掲載ページには、ロイヤリティは「売上連動ロイヤリティ(上限あり)」と記載されていますが、率も上限額も公開されていません。想定収益も他店実績も「プランにより異なるため、詳しくは説明会でご確認ください」となっています。
月商100万円を達成したとして、そこから発生するロイヤリティがいくらなのか。この数字がわからなければ、手元に残る金額を計算できません。加盟金の分割払いと、月々のロイヤリティと、仕入れ費用と、発送費用。この合計が、月商からどれだけを持っていくのか。この計算ができない状態で、加盟の判断を迫られます。
fukugyo.blogの2026年1月の投稿には、『月100万稼げます。中には150万以上稼いでる人もいます。一緒に儲けましょうと言われて融資を受けることを薦められ収支計画書、事業計画書を作ってもらった際にもかなり稼げる内容がかかれており、契約書にサポート、問題解決、情報の共有、研修などありとか書いてありますがほぼ0で一切何もしてくれません。自分の場合4ヵ月で収入0という凄い実態です』というコメントがあります。収支計画書には「かなり稼げる内容」が書かれていました。実際には4ヶ月で収入ゼロです。計画書に書かれた収支と、実際に引き受けることになった負荷の重さの間に、大きな空白があります。
ミギウデシステム時代の声とDPSの評判、名称変更の前後で何が変わったか
元関係者の証言と被害者の会の動き
fukugyo.blogの記事には、元関係者を名乗る複数の投稿があります。2026年4月の追記として掲載された元関係者のコメントには、『自社口コミサイトやブログ記事を捏造してグーグルに公開している、社長本人証言。ネットに載っている良い口コミはほとんどが捏造』『実際に儲かっているという加盟者を私は見たことがありません』との記述があります。
2025年8月にYahoo知恵袋に投稿された元執行役員を名乗る回答には、『DREAM PONYが運営しているフランチャイズはBuyUp(旧BuyLink)、ミギウデシステム、AutoQ。基本的には無在庫物販のFCを展開しているが、BUYMA以外は無在庫出品が規約上認められていないためアカウント凍結やアカウント申請が通らないケースもある』との記述があります。この投稿の時点では、ミギウデシステムがFCブランドとして列挙されています。2026年7月の公式プレスリリースでは、ミギウデシステムの名前は消え、DPSが記載されています。
元職員を名乗る人物の2026年7月のコメントには、『コールスタッフが1人の方に対して数人で一斉に架電をし、1日10件以上かかってくることもザラ』との記述があります。説明会参加を促す営業の手法に関する証言です。
fukugyo.blogのコメント欄には、2026年1月から8月にかけて、被害者の会への参加希望が6件以上投稿されています。2026年1月28日には「ドリームポニー被害者の会主催」を名乗る投稿があり、刑事告訴準備と集団訴訟の連名参加を呼びかけています。
PR記事の声と出所の性質
ミギウデシステム時代の体験記として、ec-step.comというサイトに次のような声が掲載されています。『副業として始めたのですが、3ヶ月目で売上が20万円を超えました。在庫を抱えなくていいので、精神的にもかなり楽です』(30代・会社員)、『開業前のサポートが手厚くて安心。AIが商品説明も作ってくれるので、初心者でも出品が簡単にできました』(20代・フリーター)。このサイトはドリームポニー関連記事のみを掲載しており、運営者情報は不明です。
元関係者の「ネットに載っている良い口コミはほとんどが捏造」という証言と、これらのPR記事の声を、どう読むか。私は、出所の性質を確認した上で、肯定的な声の信憑性を自分で判断するしかないと考えます。サポートが手厚いという声と、トラブル発生時に何もしてくれないという声。どちらも実在する証言です。どちらがあなたの状況に近いかは、契約の条件と、あなたが引き受けることになる負荷の大きさによって変わります。
DPS名義では、2026年8月27日にec-business-lab.comというサイトが「DPS 評判データ検証」「DPS 口コミを数字で検証」等5本の記事を同日公開しています。このサイトもドリームポニー関連記事のみを掲載しており、フッターが英語テンプレートのままです。記事には『システムとサポートを正しく活用している人の口コミは、極めて信憑性が高い』『正しく捉えて継続しているユーザーはほぼ例外なく結果を出している』との記述があります。何をもって「正しく活用」とするのか、誰が「正しく捉えて継続している」と判定するのか、この基準は示されていません。
この仕事を引き受けられるかを確かめるために
重さを正確に伝えます。DPSは、システムの出品効率と受注数の増加は確認されています。同時に、受注の半分以上がキャンセルになるという報告と、Amazonアカウントが2回停止されたという報告も確認されています。システムが生み出す受注の量と、その受注を維持できない構造の重さ。この両方を見た上で、引き受けられるかどうかを判断してください。
設定に3ヶ月かかった人がいます。4ヶ月で収入ゼロだった人がいます。受注は取れたがキャンセルが止まらず、在庫物販に切り替えた人がいます。アカウントを2回失った人がいます。それぞれの人が引き受けた負荷の重さは、「1日1時間」という説明の何倍だったのでしょうか。
あなたが確かめるべきは、次の3つです。第一に、設定が完了するまでの期間を支える資金があるか。第二に、受注後のキャンセルを基準以下に抑える手段が用意されているか。第三に、Amazonの規約との整合性を、加盟前に確認できるか。この3つが揃わない状態で始めた場合、途中で止まるのは意志の問題ではなく構造の問題になります。自分にこの土台があるかどうか。ここを先に確かめてください。

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